木屋
國治作 植木鋏 黒染 170mm 桐箱入
國治作 植木鋏 黒染 170mm 桐箱入
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名工・國治の技とアイデアを惜しみなく注いだ植木鋏です。通常の植木鋏は一つ枝を切ると次の作業に向かうにあたり手をひろげ、鋏を開く必要があります。しかしこのバネ式植木鋏は、切る動作を軽減するため、足の先端位置を変えることによってバネを効かせることに成功しました。國治さんのアイデアにより進化した植木鋏です。
ガーデニングや草花の手入れに最適な鋏です。庭の草木の剪定や盆栽用としてなど、さまざまな作業にご使用いただけます。
この黒染シリーズは、名工・國治がこだわり抜いて制作した逸品。材質には、職人自らの厳しい目で選び抜いた、特に良質な炭素鋼を使用しています。持ち手部分は、手間を惜しまず細かい研磨を何度も重ね、さらに深みのある光沢を生むためのツヤ出し加工を施すことで、手に馴染む滑らかさと美しい仕上がりを実現しました。國治の鋏が誇る一級品の切れ味や使用感はそのままに、素材と仕上げをさらに昇華させた「黒染シリーズ」。使いやすさと美しさを兼ね備えた特別な道具です。
二代目國治・川澄巌氏の鋏の特徴は、全工程を一人で担う徹底した手仕事にあります。鋏づくりの工程は80にも及びますが、そのすべてを一人で担いました。鋼と鉄を火で熱し、金槌で叩く昔ながらの製法にこだわり、手作りでしか生み出せない価値を追追及。「はさみですから切れ味が第一なのは当然のこと。それに形の美しさを加えた機能美を追求しています」と語り、完成された鋏の姿には「他の職人の追随を許さない美しさがある」と称されました。
また、絶妙な切れ味と、鋏の調子の軽さ、長時間使用した際の疲れにくさも國治作ならでは。刃の微妙なすき間を調整する仕上げの作業は、鋼より柔らかい錫や亜鉛の台の上で優しく叩くという熟練の技を要します。「はさみは刃の部分がピタッとくっつきすぎては切れ味が悪い、重なるのはたった一点。その塩梅が難しい」と語り、この絶妙な噛み合わせによって「軽快ないい音」が生まれ、華道家からは「切る音が違う」「刃先が指先になる」「刃先に目がついているようだ」と絶大な信頼を得ました。
持ち手は全体的に丸く仕上げられ、わずかな隙間を空けることで切る際の衝撃を逃がし、長時間の使用でも手が疲れにくい工夫が施されています。
「親父と同じものを作り続けていればいい、ではなく、創意工夫を続けないと伝統を継続することはできない」という信念のもと、製造工程の工夫や、一代目が手掛けなかった分野の鋏づくりにも挑戦。身体が動くうちは作り続ける、と語り、足立区の工房でその技術と情熱をもって鋏づくりを続けました。
二代目 國治・川澄巌(にだいめくにはる・かわすみいわお1932-2024)…鋏職人。東京都伝統工芸士、平成27年度「東京マイスター知事賞」、秋の褒章「黄綬褒章」、平成28年度「卓越した技能者(現代の名工)」。足立区に生まれ、大学卒業後1955年に国治刃物工芸製作所入社。以来、65年以上にわたり華道・盆栽・園芸用鋏を手掛け、生涯現役を貫き晩年まで製作を続けた。
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製品詳細
寸法:約 170mm
重量:約 190g
材質:炭素鋼 ケース…天然皮革 箱…桐(箱書き入り)
生産:東京都足立区